おもしろ海洋生物たちの趣味ブログ

話題性のある海の生物を中心に取り上げてまとめていきます。

驚き!!光る海の生物

陸上や海底には光を放つ生物が多数いることをご存じだと思います。

陸上ではキノコやホタル、海ではチョウチンアンコウなど発光を放つ生物が数えきれないほどいます。この記事では光る海底生物を取り上げていきたいと思います。

 

2018.6.11のNATIONAL GEOGRAPHICの記事でSee Amazing Ocean Creatures That ‘Glow’という記事が報告されていました。訳すと「驚くべき海洋生物の発光を見よ」みたいな感じでしょうか。

 

まずはこちらの写真をご覧ください。

 

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出典: See Amazing Ocean Creatures That ‘Glow’ (NATIONAL GEOGRAPHIC)

https://news.nationalgeographic.com/2018/06/glowing-biofluorescent-oceans-animals/

順番にネコザメ、ハゼ、ウナギ、タツノオトシゴ、ウミガメです。意外にも身近な生物たちが写真のような発光を示す性質を持っていたとは驚きです!

中でもこのネコザメの発光は2016年に開発された”shark-eye camera (シャークアイカメラ)”により初めて観測されました。

水中では視界がぼやけるために海中で彼らが光っているかどうかを私たちの目で見極めることは難しいのだそう。可視光(目に見える光)である青色の光(波長およそ435~480 nm)を吸収し緑色の発光(500~560 nm)を放っています。

緑色に光っているウナギは満月の光の中から青色の光を吸収し、ビリルビンという物質が他の物質と相互作用を起こし緑色の発光を示しています。

ウミガメは緑だけではなくところどころ赤色に発光しています。ウミガメがこのような赤色発光を示す理由はいまだ詳しいことがわかっていないようです。しかし、現段階でこれらの生物に共通して言えることは、月明かりを吸収して各々発光し子孫繁栄のための配偶者を惹きつけるため仲間を見つけるためなどの理由が考えられているそうです。

 

この生物の発光に関しては近年の研究のブームになっているようで分野としては”biofluorescence”(bio:生物、生体 fluorescence:蛍光)という分野。混同してしまうのが”biofluorescence”と”bioluminescence”。 ”bioluminescence”は例えばチョウチンアンコウのように餌を惹きつけるために化学反応(AとBという物質から発光物質Cを作り出す)を起こし”意図的”に発光を発生させているパターン。”biofluorescence”は”意図的”には発光を発生させていないパターン、ということのようです。

 

今回の写真で取り上げたウナギはビリルビンという物質を使って光っていましたが”biofluorescence”に分類されるそうです、、、”bioluminescence”と”biofluorescence”の区別がいまいちわかりずらいですね(汗)。

しかし、この分野の解明が進めば、例えば釣り用のルアーのデザインに役立てられ、釣果無しで帰ることがなくなるかも?

また、ビリルビンという物質は新生児がよくかかる黄疸症と密接にかかわっている物質肝臓の働きが正常かどうかを見分けるために重要な物質だそうです。

新生児黄疸 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版https://www.msdmanuals.com

医療分野にも役立っているということで今後の研究成果に期待したいですね。