おもしろ海洋生物たちの趣味ブログ

話題性のある海の生物を中心に取り上げてまとめていきます。

なぜ深海でサンゴが生きられるのか?

サンゴは温かく浅い海で育つという風に小学校や中学校で習った記憶があります。

しかし、じつはサンゴは深海にも生息するんです。

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*フリー素材

 

しかも、深海のサンゴは発光を放っているんです!発光源は蛍光性のタンパク質だということです。このたんぱく質は浅い海に生息するサンゴが日焼けを防ぐために利用しているタンパク質と全く同じ物質なんだそう。

浅い海から深海へ行くにつれて、タンパク質の使い方が異なってきているということですね。

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出典・引用:

NATIONAL GEOGRAPHIC, "HOW DOES MYSTERIOUS DEEP-SEA CORAL GLOW?" 

http://www.nationalgeographic.com.au/australia/how-does-mysterious-deep-sea-coral-glow.aspx

いまだに「なぜサンゴが深海で生息できるか」という謎は解決されていません。その理由として、この深海のサンゴに関して研究を行っているのはオーストラリアのクイーンズランド大学なのですが、オーストラリアは法律で厳しいダイビング規制が制定されているためです。よって、この謎の解明に着手するのが大変難しいとのことです。

しかし、このサンゴの謎は医学界にも衝撃を与えているそうです。有機物であるタンパク質は人体に悪影響を与える可能性が低いため、癌やHIVウィルスを発光させ可視化するための技術開発が期待されています。

深海に存在するサンゴ礁はほとんど調査されていませんがその生息量は浅い海に存在するサンゴ礁と同等ほどあると予想されています。

近年海水の汚染によりサンゴが減少してきているという問題も報告されておりますが、生態系の保護に努めなくてはならないと、考えさせられる機会にもなりますね。

 

 

 

 

魅了される、、幻想的な夜の海の生物たち!!

NATIONAL GEOGRAPHICTHE DARKNESS, THOUSANDS OF TINY CREATURES THRIVE”という記事が紹介されていました。訳すと「暗い海で生きる1,000ものちっちゃな生物たち」という感じでしょうか。

以下の写真をご覧ください。

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 こちらはキュートな顔をしたおさかな?に見えますがいいアングルから撮れたソデイカの一種だそうです。

 

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こちらは星口動物と呼ばれる蠕虫状の無脊椎動物の幼虫だそうです。幼虫の時はこんなにきれいな姿をしていますが、成虫になるとミミズやヒルのような細長くグロテスクな姿になってしまうそう。(ミミズやヒル環形動物ですが)気になった方は星口動物で画像検索してみてください。個人責任で、、、

 

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これらはクラゲの写真ですが、2枚目は生殖時に泳鐘と個虫が離れて遊泳するユートキシッドというものだそうです。

 

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こちらはハナイソギンチャクの幼生です。かわいらしいですね。

 

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こちらは腹足類の幼生だそう。腹足類にはウミウシやアワビ、サザエなどがいます。

 

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ミノガイの一種。うねうねした触手のようなものが生えているのが特徴。

 

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バスレットというハタの仲間。長い尾は体を浮かすのにちょうどいいのだとか。

 

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端脚類ヨコエビの一種で、産卵の準備をしている最中だそう。

 

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トビウオの幼生。きれい!!

 

これらの写真、実は日本人の峯水亮(みねみず りょう)さんが撮られた写真だそうです。

高潮後の日没に特殊なLEDの光を用いて撮影を行っているそうです。非常に幻想的で峯水さんが撮った写真を見るとさらに海の生物への興味が掻き立てられます。写真の生物たちは1~4 cm程度で小さいものだと2 mm程度のものもいるとか。他にも峯水さんが撮られた写真は多数あり、図鑑等にも多く起用されています。興味のある方はぜひ!!

 

出典・引用

NATIONAL GEOGRAPHIC “IN THE DARKNESS, THOUSANDS OF TINY CREATURES THRIVE”

http://www.nationalgeographic.com.au/animals/in-the-darkness-thousands-of-tiny-creatures-thrive.aspx

 

驚き!!光る海の生物

陸上や海底には光を放つ生物が多数いることをご存じだと思います。

陸上ではキノコやホタル、海ではチョウチンアンコウなど発光を放つ生物が数えきれないほどいます。この記事では光る海底生物を取り上げていきたいと思います。

 

2018.6.11のNATIONAL GEOGRAPHICの記事でSee Amazing Ocean Creatures That ‘Glow’という記事が報告されていました。訳すと「驚くべき海洋生物の発光を見よ」みたいな感じでしょうか。

 

まずはこちらの写真をご覧ください。

 

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出典: See Amazing Ocean Creatures That ‘Glow’ (NATIONAL GEOGRAPHIC)

https://news.nationalgeographic.com/2018/06/glowing-biofluorescent-oceans-animals/

順番にネコザメ、ハゼ、ウナギ、タツノオトシゴ、ウミガメです。意外にも身近な生物たちが写真のような発光を示す性質を持っていたとは驚きです!

中でもこのネコザメの発光は2016年に開発された”shark-eye camera (シャークアイカメラ)”により初めて観測されました。

水中では視界がぼやけるために海中で彼らが光っているかどうかを私たちの目で見極めることは難しいのだそう。可視光(目に見える光)である青色の光(波長およそ435~480 nm)を吸収し緑色の発光(500~560 nm)を放っています。

緑色に光っているウナギは満月の光の中から青色の光を吸収し、ビリルビンという物質が他の物質と相互作用を起こし緑色の発光を示しています。

ウミガメは緑だけではなくところどころ赤色に発光しています。ウミガメがこのような赤色発光を示す理由はいまだ詳しいことがわかっていないようです。しかし、現段階でこれらの生物に共通して言えることは、月明かりを吸収して各々発光し子孫繁栄のための配偶者を惹きつけるため仲間を見つけるためなどの理由が考えられているそうです。

 

この生物の発光に関しては近年の研究のブームになっているようで分野としては”biofluorescence”(bio:生物、生体 fluorescence:蛍光)という分野。混同してしまうのが”biofluorescence”と”bioluminescence”。 ”bioluminescence”は例えばチョウチンアンコウのように餌を惹きつけるために化学反応(AとBという物質から発光物質Cを作り出す)を起こし”意図的”に発光を発生させているパターン。”biofluorescence”は”意図的”には発光を発生させていないパターン、ということのようです。

 

今回の写真で取り上げたウナギはビリルビンという物質を使って光っていましたが”biofluorescence”に分類されるそうです、、、”bioluminescence”と”biofluorescence”の区別がいまいちわかりずらいですね(汗)。

しかし、この分野の解明が進めば、例えば釣り用のルアーのデザインに役立てられ、釣果無しで帰ることがなくなるかも?

また、ビリルビンという物質は新生児がよくかかる黄疸症と密接にかかわっている物質肝臓の働きが正常かどうかを見分けるために重要な物質だそうです。

新生児黄疸 - 23. 小児の健康上の問題 - MSDマニュアル家庭版https://www.msdmanuals.com

医療分野にも役立っているということで今後の研究成果に期待したいですね。